さて、最近世の中も巻き込んで話題になっているオンライン資格、(別名マイナ受付…って、これ定着するのかな?)
何が出来るか、どんな機能があるのか、そもそもどんなシステム的な構造になっているのか、1年近く見てきましたが、ベールに包まれていて、よくわからない物でした。
しかし、最近になって、格闘するようになり、ようやっと理解しました。
そこで、皆様にも(のちのちの自分のためにも)、ご紹介していきたいと思います。(あくまでも、blogの形を取っていますが、随時加筆修正していきます。)
まずは、何ができるの?
一般的には、”「マイナンバーカード」を使って、保険証の代わりになる。” というのが浸透していると思います。
まずは、厚生労働省の 公式サイトに書かれていることを確認します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
様々な動画などが、貼られていて今時な感じですが、一貫して言っていることは、
「マイナンバーカードを使って、ピッと簡単に受付できる。」
「医師などに特定健診、投薬歴のデータも見せて診察が受けられる」
とのことになっています。
では、医療機関側のメリットは何なのでしょうか?
これも、厚生労働省の公式サイトに書かれていることですが、
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html
1.オンライン資格確認とは ~ 資格確認は保険制度の基本 ~オンライン資格確認では、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインで資格情報の確認ができます。令和3年3月からマイナンバーカードを持参し、保険資格の確認をする患者が増えてきます。
2.医療機関・薬局で変わること1 – オンラインで資格を確認することにより、医療機関・薬局の窓口で、直ちに資格確認が出来るようになります。○ 保険診療を受けることが出来る患者かどうかを即時に確認することが可能となり、レセプトの返戻が減ります。また、窓口の入力の手間も減ります。
2.医療機関・薬局で変わること2 – 常時、支払基金・国保中央会とオンラインで接続されるため、支払基金・国保中央会の情報を医療機関・薬局に提供することが出来るようになります。マイナンバーカードを用いて本人から同意を取得した上で、薬剤情報や特定健診等情報を医療機関等で閲覧することが可能となります。
3.メリット:資格過誤によるレセプト返戻の作業削減 – オンライン資格確認を導入いただければ、患者の保険資格がその場で確認できるようになるため、資格過誤によるレセプト返戻が減り、窓口業務が削減されます。
3.メリット:保険証の入力の手間削減 – 今までは受付で健康保険証を受け取り、保険証記号番号、氏名、生年月日、住所等を医療機関システムに入力する必要がありました。オンライン資格確認を導入いただければ、マイナンバーカードでは最新の保険資格を自動的に医療機関システムで取り込むことができます。保険証でも、最小限の入力は必要ですが、有効であれば同様に資格情報を取り込むことができます。
3.メリット:限度額適用認定証等の連携1 – これまで限度額適用認定証等は加入者(患者)が保険者へ必要となった際に申請を行わなければ、発行されませんでした。オンライン資格確認を導入いただければ、加入者(患者)から保険者への申請がなくても、限度額情報を取得でき、加入者(患者)は限度額以上の医療費を窓口で支払う必要がなくなります。
3.メリット:薬剤情報・特定健診等情報の閲覧1 – オンライン資格確認を導入いただければ、患者の薬剤情報・特定健診等情報を閲覧することができます。患者の意思をマイナンバーカードで確認した上で、有資格者等が閲覧します。
と書かれています。
ここまで、まとめてみましたが、やはり、国民目線で考えると全くメリットが感じられにくい一方で、医療機関側には、それなりのメリットがあると感じられます。
しかし、これらのシステムを利用するには、
- 常時接続のネットワーク回線
- カードを読み取るためのリーダー
- 既存のレセコンなどのバージョンアップや変更
- 保険証情報の接続のための院内ネットワークの変更など
が必要なことが、わかると思います。
しかし、ここまでは、わかっても、実際どうすれば良いのか、何がどれだけ必要で、費用がどれくらいかかるのか全くわからない… というのが夏頃までの状態でした。
その後、ようやく追加情報が出てきて、
- マイナンバーカードを読み取るのは専用の顔認証機能付きカードリーダーが必要。
- カードリーダーを接続する専用のwindows端末が必要、そのOSは Windows 10 Enteprise 2019 LTSC と呼ばれる 一般的ではない物らしい。
- カードリーダーは、数社から出てくるらしい。
- 初期導入コストについては、補助が出る。カードリーダーについては、自分で選択して申し込みが必要。カードリーダーは1台(診療所)までは無償で厚生労働省から提供されるらしい。
そして、秋頃になって、土壇場で、3月までにカードリーダーの申し込みをすれば、42.9万円の上限まで(病院はもっと大きい額)の補助も100/100出ると言うことで、皆さん、3/31までに どうするのか悩んでいる様子です。
個人的には、下記の順位で決めれば良いかと思います。
- 使用しているレセコンが対応している物
- レセコンで、特にどれということがなければ、好みのデザイン(メーカー)で決める。
細かい差異はあるかとは思いますが、基本的には、カードリーダーを接続する専用のWindows端末(またはレセコン)側のソフトで、全ての差異は吸収されると考えて良いかと思います。
但し、一つだけアルメックス社のリーダーだけは、独自にOCR機能が付いているようで、現時点では対応していない医療証などについてOCR機能で自動読み取りしてくれるとのこと。入力が楽になることが期待されますが、レセコン側が対応しているかはまた別問題です。
その機能に期待する方は、よく調べてから選択した方が良いかと思います。
また、各社、標準で付いてくる保守の条件が違います。保守年数、その後のサポート月額、先出しセンドバックか、後出しセンドバックか、などには注意した方が良いと思います。
ちなみに、私が関与しているクリニックでは、パナソニック製の物を選択しました。レセコンはアルメックス社推奨でしたが、基本的には、どれも繋がるはず( 専門的にいうと API等のインターフェイスは共通なはず) なので、デザインで決めました。